4KとHDを、“ひとつの流れの中で両方のフィニッシング” をコンセプトとしてスタートした NiTRo SHIBUYA のシステムも、今年(2019年)で4年が経ちます。これまでにNHK様、NHK関連会社様が制作する4Kの番組をはじめ、数多くの4Kコンテンツの仕上げを担当してきました。 そして昨年12月には4K8Kの実用放送も始まり、高精細番組の制作が増加する中で、お客様から8K編集への対応を要望する声も増えてきました。
今回、三友さんからご提案いただいた DaVinci Resolve と Transkoder を使ったワークフローは、これまでの4K編集で我々が培ってきた経験をそのまま活かせるものでした。
8K編集には高速処理を可能にするマシンと、大容量でかつ高速な転送スピードのストレージが必要となります。この条件をクリアする為に、システムを最適化する事が大きな課題でした。
編集機 ・Blackmagic Design DaVinci Resolve ・Colorfront Transkoder
収録機 ・Panasonic AJ-ZS0580
キャラジェネ ・NIXUS Telop Canvas
マスモニ ・SONY 4K HDR 有機EL BVM-X300
ゲストモニター ・SHARP 8K HDR 液晶 8T-C80AX1
グレーディングは主に DaVinci Resolve を使用して、ネイティブ素材のまま作業を行います。 NHK様へ8K番組を納品する場合はP2カードとなりますので、グレーディング終了後は Transkoder を使ってP2カード4枚に書き出します。最終的には8Kレコーダー Panasonic AJ-ZS0580 を使って再生チェックを行い、納品します。
最も大事にしていた事は、4Kと同じスピード感で8Kの仕上げを行うという点でした。HDから4Kを始める際にも課題となった事ですが、高精細の番組制作でお客様が一番、気にされるのが編集時のストレスと制作日数の増加です。納品物の作成に時間がかかるのは仕方ありません。とにかく編集作業中はストレスなく演出に集中していただける環境の構築を目指して、できるかぎりのスペックの機材で構成しました。
今回、NiTRo SHIBUYA が選定したメインの編集機はBlackmagic社製 DaVinci Resolve と、Colorfront社製 Transkoder です。これらは我々が4K制作でも運用してきたシステムなので、現場スタッフはこれまで同様、迷いなく操作する事ができます。DaVinci Resolve はオリジナルの素材をそのまま扱えるため、オフライン上がりのデータから8K素材にリンクする時間も4Kの時と変わりありません。思ったよりも軽快にリアルタイムで走るシステムとなっています。
高速なマシンスペックは8K作業に限らず、4K編集やデータ変換でも、その威力を発揮してくれます。 今後の8K作品において、どのような表現ができるのか楽しみでもあります。
株式会社 日テレ・テクニカル・リソーシズ
ポスプロ技術センター ポスプロ技術部
担当副部長
福田 豊 様
NiTRo SHIBUYA
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